君と、世界の果てで
高校生になって、軽音部に入ってバンドを組んで。
大会やコンテストで、まぁまぁの実績を残した。
コピーは中学の時に、死ぬほどしたから。
高校時代は、オリジナル曲を作る事に没頭した。
もちろん最初は、模倣から入って。
恥ずかしくて、今では聞けない。
しかし、当時は
「兄貴、すげぇ」
と陸に言われるだけで、満足だった。
陸は、ライブを見たり、練習を見たりする度に、「すげぇ」を連発した。
紗江も、たまに見に来てたな。
あの頃、俺は陸の憧れだったんだろう。
そんな俺が、普通に、建築関係の学部がある大学に行って。
半年前に、バンドをやめた。