君と、世界の果てで
「じゃあ、決まりだな。
責任は翼に取らせりゃいい」
「あなた……」
「親父……」
無口な父親が言う事は、この家では絶対だ。
母親も、ゆっくりうなずいた。
「……ありがとうございます……」
俺達は感謝を込めて、深々と頭を下げた。
「あっ、深音さん、うつむいたら谷間が見えちゃう!」
「えっ?あっ、すみません!」
深音は母親のアホな指摘で、パッと手で胸元を隠した。
「お父さんたら、昔から巨乳に弱いんだから!」
「大きな胸ほど、夢とロマンがいっぱいつまってるんだよ」
「親父……くだらねぇよ……」
そんな家族の会話を聞いて、深音は笑いを必死でこらえていた。
そういうわけで。
無事、俺達は一緒に暮らせる事になったのである。