君と、世界の果てで
あれを見て、一体どんなバンドなのかと興味を持たれたのだろう。
まぁ、少しはそんな事もあるかなと思ったけど。
「翼さんのビジュアルと、クールな対応が良かったみたい。
翼さん、ファンです!って書き込みが、すごいんだ」
深音が、少し面白くなさそうな顔をした。
それを見て、興奮しかけた崇文が静かになる。
「だから……お客を呼べそうなうちに、ワンマンでやらせようって?」
吐き捨てた深音に、崇文が反論する。
「それもあるけど……それだけじゃないと思う。
実際、あの日のライブもうちが一番盛り上げたわけだし」
「……いや、深音ちゃんの言う事が、9割正解だろ」
「渚さんまで……
ポジティブな人間はいないのかよ!」
もぅ、と崇文は膨れてしまった。
「……でも、出入り禁止よりは良かったよな」
俺が本音をこぼすと、崇文が復活した。