君と、世界の果てで
「そうでしょ!
迷惑かけたんだし、ちょっとあっちの策略に乗ってあげても良いんじゃないかなぁ?」
ライブの数をこなしたい崇文が提案する。
しかも今回はチケットを自分たちでさばかなくていいという条件付きらしい。
普通は一人何枚かのノルマがあるものだけど。
しかも、ホールレンタル料もタダにしてくれるらしい。
「策略って……そんなに儲けは期待してねぇだろ。
ライブハウスの宣伝みたいなもんだろうな。
まあ、出してもらえるだけありがたいんじゃないか?」
「確かにな。どうする?深音ちゃん」
渚に聞かれて、深音は眉間にシワを寄せながら考えた。
自分の体調次第と思うと、気が重いのかもしれない。
「ワンマンって……持ち時間何分?」
「えと……20時から21時の1時間。
リハ、撤収込みで2時間かな」
「なら、余裕」
深音は、ニッと笑った。
久しぶりのイタズラ娘の顔だ。