君と、世界の果てで
崇文はやったぁ、と初のワンマンライブができる事を素直に喜んだ。
俺や渚でも、ワンマンなんてやった事はない。
年下組よりこっちの方が緊張するな、と笑いかけてきた。
「しかし3週間か……急だな」
「俺の火傷が治るのを待ったんだから、悠長な方だろ」
「あぁ……そうか」
右腕の火傷は、一応ふさがったが、やはり痕が残った。
深音の手の平2つ分の面積を硫酸に焼かれたのだから、綺麗に新しい皮膚がくっつくはずもなく。
白に変色し、縁は赤い。
ところどころデコボコし、皮がひきつれたその痕は、見るも無惨だった。
まぁ、何年か経てば、少しはよくなるみたいだが。
指が無傷なだけ、いいとしよう。
「あ、翼さん、アレ」
「あぁ……ホレ」
火傷で練習できない間、左手一本で何とかできたものがあった。