君と、世界の果てで
彼女らは、布を真剣に選んでいた。
俺には同じに見える白い布を二種類、交互に見比べている。
彼女らが身につけているものは、頭の上から爪先まで白かピンク。
しかも全身にレースやフリルが付いているので、自然と体が膨張して見える。
あれが、ロリータファッションというやつか。
「お待たせしました。
ごめんね、お茶ご馳走するから、行こう?」
今日の深音は、ピンクのワンピースに、春らしい白いショートブーツ。
彼女たちと同じように袖やスカートが広がり、フリルがついているのに。
深音は、それでも細い。
病的に細くて白いと思っていたら、ホントに病気なんだもんな……。
「なに?」
無意識にじっと見てしまった。
深音が不思議そうに首をかしげる。
その顔は可愛らしく、ほんのりピンクに染まっていた。
……こんなに、元気なのにな……