君と、世界の果てで
「お腹空いたね。
こっちにお洒落なカフェがあるんだよ」
「……カフェ、ねえ。
腹は満たされなさそうだな」
「もー。よくそれで、元カノさんと2年ももったね」
何でそんな話題を出すか。
お前が知らないだけで、結構もめてるんだからな。
普段平和すぎて、忘れそうだけど。
ふと、深音が足を止めた。
「ん?」
それは、ゲームセンターの前だった。
透明な壁面に、ゲームの景品らしいぬいぐるみが何種類も飾ってある。
「なんか欲しいものでもあったか?」
「うん?ううん……」
深音の視線は、別の所にあった。
店の奥。
そちらは、女性とカップル限定の、写真シールの機械が何台かあるコーナーだった。
「……まさか、撮りたいとか言うんじゃないだろうな……?」
俺は、写真が大の苦手だ。
音楽はやりたいが、目立つのは嫌だから、ベースを選んだくらいだし。