君と、世界の果てで
写真シールは、紗江にも何回か誘われたが、断り続けていた。
あんなものを撮って、それを友達に配られたりするのは羞恥の極みだ。
「そう言うと思った……」
「何だよ」
「いいよ、行こう。本当にお腹空いた」
深音は寂しそうに笑って、そこから去ろうとした。
「……本当に撮りたかったのか?」
「別に?ただ、見てただけ」
じゃあ、その寂しそうな笑顔はなんだ。
お願いの新技かよ。
「……可愛くお願いすれば、気が変わるかもな」
「……ほんと?」
ほらみろ。
やっぱ、撮りたかったんじゃねぇか。
最近甘やかしすぎたせいか、深音はワガママを極めていた。
毎日のように小さなお願いやおねだりをするくせに、今日はどうした。
「んと……お願い、ね?」
上目遣いで、小首をかしげる。
両手は顔の前で、神に祈りを捧げるように組まれていた。