君と、世界の果てで
「……合格にしてやるか」
「やったぁ!」
他のやつなら、アッパーかまして宇宙まで吹っ飛ばすだろうが、
深音は予想外に可愛かったので、ええいままよと店内に入っていった。
「どれにするかは、任せるからな」
「えぇ?あたしもよくわかんないよ。
久しぶりすぎて」
「じゃあ並んでないやつにしろ」
「そうだね」
と、数ある機械の中で、人気がないのか、誰も並んでない機械のカーテンを潜った。
機械が『お金を入れてねっ☆』と連呼する。
それに誘われ、後悔の念がわいてくるのを、必死に抑えた。
金さえ出せば、あとは適当にやってくれると思ったら、
『好きな背景を選んでねっ☆』
『美白度を選んでねっ☆』
と、次々に選択を迫ってくる。
深音に任せると、彼女もわかんないよー、といいながら、“オススメ”と表示されたモノを選択していった。
わかんねぇのに撮りたいとか言うなよ……。
長身の俺は、この狭い空間にもイライラしてきていた。