君と、世界の果てで
「あそこでランチしよ?」
「待て。その前にコレ直せ」
「良いじゃない、照れなくても」
「崇文や渚に見られたら何を言われるかわかんねぇだろ!」
「……そっか……
そんなに、嫌なんだね……」
深音は悲しい顔で、ケータイを受け取った。
「寂しいな……ちょっとした、冗談だったのにな……」
「……」
そして、涙ぐんで呟く。
「今日あたしが死んだら、これが最後の写真に……」
「っ、もういい!」
携帯を深音の手から奪うと、彼女はニヤニヤッと笑った。
「ありがとう。
また撮ろうね?」
……ハメられた!!
この女、最悪だ!!
天使の顔をした悪魔だ!!
「断固、拒否する!!」
「あはは、翼さん、真っ赤」
「うるせぇ!!」
「……っ……」
俺を指差して笑う深音の顔が、一瞬人形のように止まった。