君と、世界の果てで
そして、左手で胸を押さえかたと思うと。
突然息苦しそうに、あえぎだした。
顔が、青白くなっていく。
発作だ……!
座りこんだ深音の鞄をつかみ、ひっくり返した。
中身の財布やポーチが路上に散らばる。
通行人が何事かとこちらを振り返った。
見覚えのある派手なピルケースを見つけ、ペットボトルを開けて一緒に深音に差し出すと。
それを受け取った彼女は、苦しみながらも、何とか錠剤をいくつか飲み込んだ。
そして、別のポーチをつかむと。
そこから顆粒が入った袋を取りだし、それを破って口に流し込んだ。
何分くらいたっただろう。
短い時間だったかもしれないが、途方もなく長い時間に感じた。
「はぁ……死ぬかと思った……」
いつの間にか深音の呼吸は整い、顔色が戻ってきていた。