君と、世界の果てで
「いつもに増して可愛いよ、って翼は言いたいんだよ、深音ちゃん」
「うん、可愛い可愛い。
これで性格が良ければなぁ」
「崇文、殴られたいの?
ホント、ドMだね」
他のメンバーは、多少緊張した顔をしているが、いつも通りだ。
リハーサルも無事に終わり、あとは開演を待つだけとなった。
今回は、犯行予告もない。
ライブハウスの店長から、チケット完売だよ、とホクホク顔で報告された。
不快な事は、1つもないのに。
ただ、深音の体の事だけが気がかりで。
俺だけは不安に支配されていた。