君と、世界の果てで
打ち上げ(と言っても二人は未成年だから、いつものファミレス)が済んで、食後の薬を飲んだ深音が、車の中で言った。
「あのね、あたし今日頑張ったでしょ?」
「あぁ。頑張ったな」
「だから、お願い」
うっ。
きた。
また、悪魔の“お願い”だ。
「……写真以外で頼むぞ……」
「あはは。あれ、同じ待受にしてたら、この前、崇文に見つかっちゃった」
「はぁ!?」
「スマホって、不便だね。やっぱ折りたたみ携帯がいいね」
メカ音痴の俺にはわからないが、スマホだって、待受画面を表示しない設定とかできるんじゃないだろうか。
こいつ、わざとだな。
「……あいつ、なんだって……?」
「甘すぎて吐きそうだって。
翼さんには怖くて突っ込めねぇ、って笑ってた」
「……」
もう嫌だ。
一生の恥だ。
「で、今度は何だよ」
「ラブホ行こう」
「はぁ!?」