君と、世界の果てで
いきなり何を言い出すんだ、こいつは。
ライブで発作が起きなかったからって、調子にのってんのか。
「……社会見学は今度な。
今日は疲れたから、ダメだ」
「えぇー、やだやだ!
今日行きたい!」
「お前……マジで死ぬぞ?」
「エッチしようなんて言ってない。
ただ、見学して、お風呂に入りたいだけだから」
「じゃあ尚更、今度でいいだろ」
「やだー!」
深音の声は、車中を反響して、俺の鼓膜を破ろうとする。
「うっるせえな!行きゃ良いんだろ!」
「やったー!」
というわけで、帰る途中にあった安そうなホテルに立ち寄った。