君と、世界の果てで
簡素なブラウンの建物のてっぺんに、花火を模した電飾がペカペカ点滅している。
「へー、噂には聞いてたけど、こうなってるんだねー」
深音に部屋を選ばせ、中に入る。
「わぁお」
適当に選んだ部屋のドアには、【ベルサイユ】と書いてあった。
中に入ると、ベルサイユ宮殿を模したような……
とはお世辞にもいえない、安い材料で作られた、無意味な柱がむきだしになっている。
天井には、これまた安そうな天使の絵。
「ねぇ、このベルトがついた椅子、何?」
「SM用だろ」
「へえぇ。バスチェアも変な形してたよ?何で?」
「……知らなくていい。
もう見学は済んだか?」
「うん。初めて来たけどこんな感じなんだね。
せっかくだから、泊まって行こうよ」
おいおい。
気まぐれ娘まで出現しやがったか。