君と、世界の果てで
……そんな事を思い出しながら。
深音を待つ間、近くのファーストフード店で時間を潰していたら、ケータイが鳴った。
電話の主は、また崇文だった。
お前、暇人かよ。
『翼さん、ヤバイっす!』
「はぁ?何が?」
『ヤバイよ、ヤバイよ!』
……リアクション芸人か。
「何だ?彼女でもできたか?」
『違います!もっとヤバイっす!』
「何なんだよ」
『メジャーデビューの話が、来ちゃいました!!』
「……はぁ?」
崇文は興奮しきっている。
「……新手の詐欺じゃねぇか?
事務所に入れてやるから、登録料払えとか」
『違いますよ!ライブハウスを通して来たんです!
マーヤって芸能事務所、知りませんか?』
知ってるもなにも、結構な有名所じゃねぇか。
『店長さんの知り合いが、その事務所にいて。
前のライブに、招待してたらしいんすよ。
で、すごく良かったから、話をしたいって……』