君と、世界の果てで
病院へ戻ると、まだ約束の時間の30分前だった。
ちと早かったかな……
まぁ、でも遅いよりはいいだろう。
「ん?」
ロビーをのぞくと、そこにはすでに。
会計を済ませて、薬がたくさん入ったビニール袋を提げる深音の姿があった。
しかし深音はこちらに気づかず、待ち合わせの正面入口ではない方に歩いていってしまった。
「……?」
何だ。
この、胸騒ぎは。
早く声をかければ良いのに、何故か俺は黙って彼女の後を追った。