君と、世界の果てで
「やっぱり、付き合ってなくても、陸君の事を好きだったのね?
……だから、翼と私に復讐した!!」
……全く意味がわからない。
殺したと言ったり、好きだったと言ったり。
さらに復讐って?
深音は、紗江をにらんだまま、静かに口を開いた。
だめだ。
聞きたくない。
本能がそう言うのに、体は金縛りにあったみたいに動かない。
「……だったら、なんだって言うの……?」
……それは確かに、深音の言葉だった。
息が苦しい。
こめかみが熱い。
これは、何だ?
「例えそうでも、あなたに指図される覚えはない」
そう言い捨てて、背を向けロビーに戻ろうとした深音の手首を、智がつかんだ。
「いたっ……!」
「来いよ!」
するとやっと、体が動いた。