君と、世界の果てで
陸は、このベッドでうずくまってた。
まるで、幽霊に怯える子供みたいに。
「陸、あたしだよ。
どうしたの?何かあったの?」
「深音……」
顔を上げた陸は、泣いてたの。
というか、散々泣いた後っていう顔だった。
「深音……!」
陸は突然、すがりついてきたの。
「陸?どうしたの?」
「深音……俺、もう、無理……」
「何が?ねぇ、しっかりして」
「前に、話したよね?ライブの後で」
「……お兄さんの事……?」
ごめん、話が少し戻るね。
陸の秘密を知った日の事。
それを先に話さないといけない。