君と、世界の果てで
涙が止まらなかった。
情けない。
陸はあたしに生きがいをくれたのに。
あたしは何もしてあげられなかった。
「深音……
お前を見つけた事だけは、俺、誇りに思えるよ」
「陸……」
「…………ごめんね、深音!」
そう言って、陸は、あたしの首をしめた。
そうか。
一緒に逝ってほしいなら、そう言えば良かったのに。
どうせ、長生きはできない体。
笑って、一緒に逝ってあげるのに。
バカだね。
そんな事を思ってたら、胸が痛くなって。
そう。
発作が起きた。
薄れる意識の中。
「深音は、幸せになって……」
そう聞こえた。
陸は手を離すと、二階にかけ上がって。
多分、あの遺書を書いたんだと思う。
苦しみながら、のたうちまわるあたしに。
薬が入った鞄を渡して。
陸は消えてしまった。