君と、世界の果てで

(2)さよなら



部屋は、もう真っ暗になっていた。


話を終えた深音は、息をついて。



「何か、質問は?」



そう言って、俺を見上げた。



「……嘘だろ」


「どこが?」


「陸の話、全部」


「……」



嘘だ。


陸が、俺を。


そんなふうに思っていたなんて。


男だぞ?


弟だぞ?


信じたくない。


自分のせいで、陸が。


死んだ、なんて。



深音は立ち上がって、鞄をあさった。


そこから、見覚えのある、ポケットアルバムを取り出した。


遺品整理をした時、深音が持ち帰ったものだ。


恥ずかしい写真、とか言ってなかったか。



「覚えてる?」


「あぁ……」


「見て」



手渡されたそれを、開くと。


最初には深音と陸が楽しそうに写っている写真があった。

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