君と、世界の果てで
「もっと……後」
震える手で、ページをめくっていくと。
後ろの方には。
俺の、昔のライブの写真が、何枚もあった。
他のメンバーはない。
俺、だけの。
「……」
「……まだ信じられないなら、紗江さんに聞いたらいいよ……」
そういえば、紗江も。
さっき、言っていた。
『陸くんがおかしいのよ』
胃がムカムカする。
陸が自己欲を処理するのに使ったのが、俺の制服だって?
誰か、嘘だと言ってくれ。
「……お願いだから、陸を気持ち悪いとか、言わないで……」
俺の気持ちを見透かしたように、深音が言った。
「……智は……」
「あたしが陸の首をしめた所だけを、たまたま見てたの。
それまでにも何回か、のぞいてたみたい」
そういう事か。
あいつはそれで、深音を人殺しと言うのだ。