君と、世界の果てで
「服を破かれたなら、警察に何か言われただろ」
「ジャケットのボタンとめれば、見えないよ。
男の人は、その中の大きさしか見てないんだから」
「クスリは……」
「倉庫に行く時拾って、持ち帰った。
後から残りが出てこないかヒヤヒヤしたよ。
陸がジャンキー扱いされたら、嫌だもの。
あの家に入れなくなるし」
「……」
頭が痛い。
気持ちが悪い。
吐きそうだ。
なぁ、陸。
嘘だろ……。
深音。
嘘だって、笑ってくれよ。
俺の願いも虚しく、深音はみるみる涙を溢れさせた。
「……ごめんね……
つらいよね……」
「…………」
「けど、本当なの。
お願い。
陸を軽蔑しないで」
陸、陸、陸。
「お前の頭は陸ばっかりかよ……」
「翼さん……」
「すぐ受け止められるわけ、ねぇだろ……」