君と、世界の果てで
「……あいつとは、終わったから」
「……」
渚は表情を変えず、テーブルの上をぼんやり見つめた。
食ってかかってきたのは、崇文だ。
「深音が……自分が悪い、みたいな事言ってたけど……」
「……悪くはない。お互い様だ。
やっぱ、陸が一番なんだと。
で、俺は、それを許せない、と。
それだけだ」
「そんなぁ!それでいいのかよ!」
「崇文、よせ」
声を荒げた崇文を、渚が静止させた。
「しょうがないだろ。当事者にしか、わからない事もあるさ」
ため息をついて、なぁ、と俺に苦笑を投げかけた。
「体力がもたないのは本当だろ。
それも、俺達にはどうしようもない」
「……」
「でも、お前も大人気ないぜ、翼」
「俺が?」
「“Dear you”はやらなきゃならない。
森さんのイチオシだからな」
森さん、というのは、さっきの事務所の社員の名前だ。