君と、世界の果てで
「彼女と別れたくらいでできなくなるなら、メジャーなんか到底無理だ」
「……」
正論だった。
書いた方の事情は、聞いてくれる人には関係ない。
「崇文、お前もな……ちょっと大人になれよ。
メジャーなんか行ったら、お前の理解を越えた事だらけだぞ。
きっと、汚い事だらけだ。
嫌なら、二人ともやめちまえ」
交互に顔を見られ、俺と崇文は、
「すみません……」
と謝るしかなかった。
この時から、リーダーは渚になった。
就職したらやめると、最初は言ってたのに。
メジャーの話が出たら、一番やる気満々になった。
頼りになる奴だ。
「じゃあ、作業を割り振ろうか。
崇文が作った旧曲2曲は、本人が担当。
弟君の旧曲2曲は、俺が担当。
新曲2曲は、もちろん、お前担当だ、翼」
「はい!」
「おぅ……」