君と、世界の果てで
「じゃあ、来週金曜日に、いつものスタジオで練習だ。
それまでに仕上げる事」
テキパキと仕切られてしまい、反論は許されなかった。
正直、“Dear you”はもう封印したかったのに。
詞まで変えなきゃいけないなんて……
仕事もあるのに。
はぁ。
しょうがねぇか。
何でだろう。
一度はあきらめた道なのに。
あっさり、頑張ります、なんて言ってしまった。
やっぱり、俺は音楽で食っていきたいんだな。
怖いくらい順調に事が運んでるのに。
なんで、こんなに。
虚無感に襲われるんだろう。