君と、世界の果てで
それは、男兄弟なら普通だと思っていたし。
俺がそういった話題が苦手なのを、陸は察知してくれているのだと思っていた。
陸だって言わないだけで、彼女や好きな女の子がいるんだろうとも思っていた。
だって、予想もしないだろう?
誰もが羨む美貌を持った弟。
明るい性格で、いつも周りに人が集まっていた弟。
人間不信だった深音にまで、あれだけ信用された弟。
その自慢の弟が、ベースと耳以外、取り柄のない俺を……
想ってる、なんて。
なぁ、陸。
バカだな。
他に、いくらでもいただろう?
何で、俺だったんだ?
悪かったな。
早くに知っていれば。
恋人には、絶対なれないけど。
もう少し、お前を傷つけないように、気をつけたのに。
恨まれて当然だな。
そうだ。
俺を恨んで、殺せば良かったのに。