君と、世界の果てで
「っ、はぁっ、はぁ……っ!」
気付いたのは、堅い床の上だった。
窓からは、日が差している。
いつの間にか眠ってしまったのだ。
春とはいえ、何もかけずに床で寝れば、もちろん寒い。
寒い。
寒いのに、身体中に汗がまとわりついている。
息が不吉に乱れる。
おかしな夢を見た。
陸の事を、思い出したせいだろうか。
陸が、深音の背中を押して、光の中に消えていった……。
胸騒ぎがする。
どうしてかはわからない。
しかし、今すぐに彼女と向き合わなければ。
もう、二度と会えなくなる。
そんな予感がする。
ああ、でも。
今更、どんな顔をして会えば良いのだろう。
嫉妬と臆病さで、彼女の想いを踏みにじった、俺は。
今更、どうすれば良いのだろう。