君と、世界の果てで
心臓がはねあがる。
とてつもなく、悪い予感がした。
「……何でしょうか……?」
『すみません……
もう一度だけ、あの子に会ってもらえないでしょうか……』
「深音に……」
少し、安堵した。
恐ろしい夢を見てしまったせいで。
本当に陸が、深音を連れていってしまったのかと、一瞬思ったから。
『あの子が、何かしたんですよね。
突然帰ってきて、自分が悪いとしか言わなくて……』
母親は、完全に涙声だ。
「いえ、あの……」
『許してやってくれとは、言いません。
何があったか聞かせろとも言いません。
ただ、ただ、私は……
深音に、もう一度、貴方を会わせてあげたくて……』
「碧海さん、落ち着いてください。
深音は、どうしてるんですか?」
『……病状が悪化して……
入院しているんです……』
背中に、つ、と冷たい汗が流れた。