君と、世界の果てで
一瞬、意識が飛んで。
戻ると、そこは冷たいアスファルトの上だった。
轟音が響き、悲鳴が大きくなった。
こちらへ人が駆け寄ってくる。
「おい、しっかりしろ!!」
「人がひかれたぞ!!」
「早く、救急車を!!」
あぁ、俺……
ひかれたのか。
どうりで、体が動かないはずだ。
どこが、どうなってるのかわからない。
「意識はあるぞ!!」
「……ケータイ……」
「ケータイ?あ、これだな!ほら!」
深音に、連絡しなくては。
あぁ、先に巻き込まれたあの中に、いませんように。
深音。
ごめん。
深音……
通行人がケータイを開いてくれるが。
もう、霞んで何も見えない。
深音。
お前の顔が、見えない。
……寒い……
ああ……
終わって、しまう……
深音……
どうか、無事で……