君と、世界の果てで
なぁ、深音。
今度のツアーは、俺達が出会った町も、回るんだ。
すげぇだろ。
ベースも、ビンテージ物を買えるくらいになったんだ。
もしかして、俺の両手を守ってくれたのは。
RB620の魂なのかもしれないな。
あるいは、陸の魂か。
なぁ、深音。
まだ、捨てられずにいるんだ。
粉々になったRB620も。
血がこびり付いてしまった携帯も、陸のシルバーリングも。
手術の時に引き裂かれた、君が作ってくれたシャツも。
この想いも。
何も、捨てられずにいる。
乙女かってな。
バカだろ?間抜けだろ?
笑ってくれよ。
もう一度、隣で。