君と、世界の果てで
確かに、あの刑事が言った通り。
力のある男性ではない。
「そうだったのか……」
「詳しいお話を、した方が良いでしょうか?」
「あぁ……いや、また今度でいい。
連絡先だけ、教えてくれるか」
「陸……さんのスマホに、入ってるはずです」
「陸でいい。
スマホ、使い方わかんねぇんだ」
はは、と情けなく笑ったつもりが、喉が乾いて、変な音がした。
彼女は涙をこらえるように、うつむいている。
話す声も。
彼女の方も、かすれていた。
「悪かったな……本当に……」
「いえ……」
「もう、始まるから……ここじゃ寒いし」
俺は若い二人を促して、中に入った。