君と、世界の果てで
地元に戻っていた深音は、密かにチケットを取り、あのライブに来ていた。
ファンの中には過剰なコスプレや、ゴスロリ、パンクなど、いろんな人種がいるため、深音も難なくあの格好で受付を通過したのだという。
そして彼女は、WORLDS ENDのボーカルとして、華々しい復活を遂げた。
……それには、大人の悪い思惑も絡んでいて……
あのステージの後の混乱の収集を目論んだ事務所は、
『あれは演出です。
彼女についての詳細は後日発表します』
とその場をおさめ……
『難病から立ち直った奇跡のボーカル・新加入!!
WORLDS END、新たなステージへ』
と、まんまとハプニングを宣伝に利用してしまったのだ。