君と、世界の果てで
「NEVER……」
深音が敵意丸出しで彼らをにらみつける。
超人気バンド、『NEVER』は、この国で知らない者はいない。
その曲は何社ものCMに起用され、ドラマや映画の主題歌を飾っている。
見た目にも華があるし、曲も売れ線からコア向きと、幅が広い。
つまり、ロックバンドというくくりでは、完全に俺たちの負けだ。
Miracleは大好きな深音は、同業者のNEVERが嫌いだ。
目の上のたんこぶ、邪魔なライバルだと勝手に思っている。
相手はこっちのことなど、どうとも思っていないのに……
「深音、大人になれ」
「そーそー。NEVERに失礼なことしないでよ」
「そうそう。TAKUより深音の方が断然、可愛いよ」
俺たちは毛を逆立てた猫みたいな深音を、必死でなだめていた。
そのとき……。