君と、世界の果てで
それだけ言うと、TAKUの顔がふと柔らかくなった。
「治療……金かかっただろ」
「…………」
「苦しかったな」
TAKUの大きな手が、深音の頭をなでた。
「え、と……」
何が起こったかわけがわからず困惑する深音を置き去りに、TAKUは去っていってしまった。
「あー……すんません。
あいつの嫁さんも、深音ちゃんと同じような経験がありまして……」
KAITOは頭を下げた。
ってか、嫁!?TAKU、奥さんいたっけか!?
「TAKUの奥さんは、心臓移植を受けて、今は元気にしてるんです。
だから、深音さんがデビューしてから、ものすごく意識してたみたいで」
HARUが言葉を繋いだ。