君と、世界の果てで
「やけに庇うのね」
「お前こそ、やけに敵視するんだな」
意地悪なものの言い方にそのまま返すと、
紗江は、キッと俺をにらんで、立ち上がった。
「じゃ、午後から講義だから。
また、連絡する」
それだけ言うと、さっさとカフェを後にした。
……わかんねぇな、女って。
あ、そうだ。
もう一人の、女に連絡しなければ。
ポケットから携帯を取り出す。
さて、何とメールをすればいいものか。
カップが空になって冷えきっても、深音に送るメールは、なかなか完成しなかった。