君と、世界の果てで
バチンと、テーブルの上の手を叩かれた。
クソ、やっぱり怒られた……。
「それまで、練習で忙しくて……すまん。また、連絡する」
「またしばらく会えないのね。
だから、バンドなんかやってほしくなかったのに」
「……」
何で一言でも、頑張ってね、とか言えないんだろう。
自分勝手なのは俺だ。それはわかってるけれど。
そんな言い方をされると、素直に反省する気も失せる。
バンドをやめる時も、そうだったな。
「会える時間が増える」
と、喜ばれた。
それは、普通の男なら、嬉しい事だろうけど。
俺は、違う言葉を期待していた。
「昔は応援してくれたのにな……」
思わずこぼれた言葉に、紗江がまた眉をひそめる。
「それは、部活だったからでしょ。
付き合ってもなかったし」
「もういい。俺が悪いんだ」
「何よ、それ」
「俺が自分勝手なんだろ。
それが嫌なら、もういい」
何故、俺はこんな言葉を口走っているのだろう。