君がいたから。
02.胸のモヤモヤ。
「え?まじかよ。」
「うん。私の先輩でさ────」
楽しそうに話す、お姉ちゃんと蒼。
蒼は、毎日放課後に家に来る。
…お姉ちゃんに会いに。
蒼は、本当にお姉ちゃんのことが好きなんだな…。
ズキッ、──────
最近、2人を見るだけで胸がギュッと締め付けられて、ズキズキする。
「鈴って、意外と馬鹿なんだなー。」
そう言って、お姉ちゃんの頭に手を乗せた蒼。
あ…、やだよっ。
そんな風に触らないでっ…。
「…っ…。」
分からない感情に包まれた私は、部屋に逃げるようにその場を離れた。
「…穂乃花?」
リビングでは、蒼が心配そうに呟いていた。