君がいたから。
03.蒼side。
俺は、最近毎日放課後は穂乃花の家に行く。
残された1ヶ月、穂乃花とできるだけ一緒にいたいから。
まぁ、穂乃花は俺が鈴に会いに来てるって思ってるみたいだけど…
「鈴って、意外と馬鹿なんだなー。」
いつもみたいに、鈴と話している時だった。
「…っ…。」
悲しそうな顔をした穂乃花が、逃げるように部屋に入っていった。
「…穂乃花?」
心配になった俺は、穂乃花の部屋に向かった。
「穂乃花。」
ドア越しに名前を呼んでも、返事はない。
「入るぞ?」
いつもなら普通に入るけど、いつもと違う状況に一応聞いてドアを開けた。