君がいたから。
部屋に入ると、ベッドでうつむいてる穂乃花の姿。
ぬいぐるみをぎゅっと抱きしめてる姿に、胸が高鳴った。
「急にどうした?鈴も心配してたぞ?」
平静を装って、聞いてみた。
でも、返ってきた返事は、
「お姉ちゃんが心配なら、蒼が一緒にいてあげればいいでしょっ。」
そんな言葉だった。
なぁ…、なんでそんな顔してんの?
今にも泣き出してしまいそうな表情の穂乃花。
俺がドアを閉めると、俺が出て行ったと思ったのか、また顔を伏せてしまった。