君がいたから。
05.気付いた気持ち。
「あ、蒼くん。」
加奈の視線の先を見ると、蒼がこっちに来ていた。
「穂乃花、サボろうぜ?」
「え?」
「相沢、後よろしく。」
「仕方ないなー。いってらっしゃい。」
「ちょ、ちょっとっ!」
カバンを持った蒼に腕を引っ張られて、教室を出た。
「蒼、どうしたの?」
とっくに学校を出て、ブラブラと歩いてる私たち。
「昨日さ、なにがあったかしんねーけど、元気だせ?」
蒼は、昨日のことを気にしてサボってくれたみたい。
「馬鹿だなー。元気だもんっ。」
素直に"ありがとう"も言えない、私。
そんな私に、"遅い"なんて言って手を繋いでくれた、蒼。
そんな行動にドキドキしながら、2人で歩いた。