君がいたから。
「あ、公園…、」
「うわー、懐かしいな!」
たまたま通りかかったのは、小さい頃よく蒼と遊んでた公園。
懐かしくなって、寄ることにした。
「お前、昔はよくブランコから落ちて泣いてたよなー。」
ブランコに乗ると、呆れた顔で蒼がそんなことを言ってきた。
昔はよく泣いてたっけ。
そのたびに、蒼がなぐさめてくれたのを覚えてる。
トンッ、───────
私の足に転がってきたボール。
「おねぇちゃーん、ボールとってーっ!」
小さい男の子が私に向かってそう叫んだ。
「よし、俺も一緒にサッカーしてくる。」
そう言って蒼は、ボールを取ると男の子の方へ行ってしまった。
サッカーをしている蒼は、すっごく楽しそうで、思わず笑ってしまった。
「穂乃花ー!こっち来いよー!」
そう叫ぶ蒼の笑顔に、気付いた気持ち。
「う、うんっ!」
私は蒼のことが、幼なじみとしてじゃなく、1人の男の子として…
好きなんだ。