君がいたから。
06.告白。
蒼への気持ちに気づいて、数日が経った。
たったの数日で私は、蒼を避けるようになってしまった。
「穂乃花、避けててどうすんのよ!」
「うっ…。だ、だってっ!」
「だってなに?ほら、また今日も呼び出されてるよ?」
「っ…。」
蒼は、ここ最近よく呼び出されてる。
「早くしないと、ほんとに取られちゃうよ?」
加奈の一言に胸が重くなった。
蒼が好き、誰にも渡したくない。
でも、気持ちを伝えるのは難しいんだよ…
"幼なじみ"
その関係は、私を臆病にさせる。
「あ…。」
教室に女の子と2人で帰ってきた、蒼。
もしかして、2人は付き合ってるの?
「穂乃花…?」
「ちょ、ちょっと…っ。」
加奈にそう言って、教室を飛び出した。
やだ…、やだよっ…。
「…っ…うぅっ…。」
屋上に来た私は、しゃがみこんで泣いた。