君がいたから。
バンッ、───────
ドアが急に開いて、ドアの方を見る。
「穂乃花!」
そこには、蒼が心配そうな顔をして立っていた。
「お前、どうし─────」
蒼の言葉を遮って、私は、
「蒼…っ。」
蒼に抱きついた。
「え…?穂乃花…?」
「蒼、あの子と付き合ってるのっ…?」
驚いていた蒼に、聞いてみた。
「あぁ。恵美のことか。」
やっぱり2人は付き合ってるんだ…
聞かなきゃよかった。
「そっか…、ごめんね…。」
蒼から離れると、
「…あのさ?」
蒼が口を開いた。
「俺…、」
「言わないで!」
「は?」
蒼の口から聞きたくない。
これ以上辛くさせないでよ…
「いいから聞けって!」
「嫌だ!」
こんなやりとりを繰り返す私に、痺れを切らしたのか、
グイッ、──────
「付き合ってねーよ!」
蒼は、私の肩を掴んでそう言い放った。