君がいたから。

「…え？」





「だから、恵美とは付き合ってない。」




「なんで…？」




「なんでってお前…。俺は、相談に乗ってただけ。恵美は、俺の友達のことが好きなんだよ。」




なんだ…




じゃあ、私の勘違い？




「よかった…。」




ヘナヘナと座り込む私から、安堵の声が漏れた。




「なにが？」




蒼も座り込むと、そう聞いてきた。




「もう蒼のばかっ！お人好し！」




「は？んだよ、それ！」




「私、私…っ。」




ポロポロと涙が溢れ出す。




蒼が付き合ってたら、どうしようって不安だった。





「泣くなよ…。」




「ごめっ、私…っ…。」




困ったように声をかけてきた蒼。




でも、どうやっても涙は止まることを知らない。




「…ったく。」





ふわっと、蒼に包まれた。





「…ふぇっ、蒼ー…。」





好き、好き、大好き…





好きがどんどん溢れていく────