君がいたから。
07.蒼side。
一日一日と、引っ越す日が近づいてきている。
最近、穂乃花に避けられてる気がするのは気のせい?
「蒼くん、今からいい?」
「ん?あぁ。」
俺は、俺の友達のことが好きな恵美の相談を受けている。
教室にほとんどいない俺は、穂乃花がどんな気持ちでいるかなんて、全然分かっていなかった。
「ちょ、ちょっと…っ。」
俺が恵美と教室に帰ったとき、相沢にそう言って穂乃花は教室を出て行った。
あいつ…、泣いてた?
心配になった俺は、教室を出た。
あいつの行きそうな場所…
「屋上、か…。」
そう思った俺は、屋上へ向かった。
バンッ、───────
ドアを開けると、しゃがみこんでる穂乃花の姿。
「穂乃花!」
名前を呼ぶと、驚いた顔で俺を見た。
「お前、どうし──────」
俺の言葉を遮って、
「蒼…っ。」
俺に抱きついてきた。