君がいたから。
「え…?穂乃花…?」
突然のことに、混乱した。
「蒼っ、あの子と付き合ってるのっ…?」
穂乃花から出た言葉は、そんな言葉だった。
あの子…?もしかして…
「あぁ、恵美のことか。」
そう答えた俺に、穂乃花は、
「そっか…、ごめんね…。」
弱々しく言うと、俺から離れた。
こいつ、絶対勘違いしてる…
「…あのさ?」
うつむいてる穂乃花に、口を開く。
「俺…、」
「言わないで!」
「は?」
誤解を解こうとした俺を、穂乃花は止めた。
「いいから聞けって!」
「嫌だ!」
こんなやりとりを繰り返すうちに、痺れを切らした俺は、
グイッ、──────
「付き合ってねーよ!」
穂乃花の肩を掴んで、言い放った。