君がいたから。
「やっぱ、鈴って美人だよなー。」
私の部屋でくつろいでいる蒼は、ふとそんな事を口にした。
確かに、お姉ちゃんは美人。
優しいし、頭もよくて、妹ながらに憧れる。
「それに比べて穂乃花は…。」
ズキッ、―――――――――――
胸が痛くなった。
そんなの分かってる、分かってるよ…。
「どーせ、美人じゃないもん…。」
お姉ちゃんと比べてほしくなかった。
「蒼はさ、お姉ちゃんのこと好きなの?」
「まぁ、好きだけど?」
「ふーん…。明日からお姉ちゃんに毎日会えるね!良かったじゃんっ。」
嬉しそうに笑う蒼に、胸がギュッと締め付けられた気がした。