君がいたから。




「やっぱ、鈴って美人だよなー。」





私の部屋でくつろいでいる蒼は、ふとそんな事を口にした。






確かに、お姉ちゃんは美人。





優しいし、頭もよくて、妹ながらに憧れる。






「それに比べて穂乃花は…。」






ズキッ、―――――――――――






胸が痛くなった。






そんなの分かってる、分かってるよ…。





「どーせ、美人じゃないもん…。」






お姉ちゃんと比べてほしくなかった。





「蒼はさ、お姉ちゃんのこと好きなの?」





「まぁ、好きだけど?」





「ふーん…。明日からお姉ちゃんに毎日会えるね!良かったじゃんっ。」





嬉しそうに笑う蒼に、胸がギュッと締め付けられた気がした。



< 8 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop