終わり、始まり!
「だから、落ち込んでるのかなって思って、少しでも元気になればいいなって……」
映画は本当は友達と行く予定だったらしい。わざわざそっちをキャンセルして、私を誘ってくれたらしい。
「なにそれ」
そんなことしてくれなくたって、時間が経てば勝手に立ち直って、勝手に元気になるっつーの。
……でも、山本に悪気はなかったんだろう。それはよくわかった。
「ごめん」
「……もういいよ。
ありがとうね、私のために。友達にはそっちからちゃんと謝っておいてよ」
なるべく明るい声で言ってみたけど、山本の表情は曇ったまま。
元気じゃない山本だと、なんか調子が狂うなぁ。
「優しいね」
「はぁ? 別に……」
「俺ね、あかねちゃんが好きなんだ」