オレンジボーイ
朝から、やけに教室が、というより、学校全体が、妙にざわついている。


廊下で女の先輩とすれ違い様に、目があった。

その瞬間、私は今の状況を理解した。



「あの子でしょ。遥に告られた女って。」

「何よ、あんなののどこがいいんだか。」



そんな声が、あちこちから聞こえた。


どうやら、昨日の遥(先輩)の告白は、学校中に知れ渡っているらしい。

そりゃ、教室のど真ん中で言ったんだから、目撃者も多いしね。



でも、勝手に告ってきたのは向こうで、私が悪く言われる理由はない!

「好きでもないのに、振って何が悪いの!?」


そう。


私はあいつをふった。
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